探究人間のいろいろ。

人文学 哲学 言語学 教育学 

2023-01-01から1年間の記事一覧

分析哲学をかじってみた。

こんにちは。 最近、机上の住人となっていた黒澤雅恵氏の指示と言語を読んだ。 指示と言語 (プリミエ・コレクション) 作者:雅惠, 黒澤 京都大学学術出版会 Amazon 言語哲学における"固有名は豊富な意味内容を保持するか否か"という議論をサール、フレーゲ、…

さみしい夜にはペンを持て(Have your pen in the lonely night.)

What is the purpose of writing this blog for me? Hello, Lately, I have just finished reading the book "さみしい夜にはペンを持て(Have your pen in the lonely night)". さみしい夜にはペンを持て 作者:古賀史健 ポプラ社 Amazon The reason why I bu…

全集に挑戦したい。

こんにちは。 今日はちょっと個人的なことを書く。 最近、「日本の古本屋」というサイトで古本を探している。 www.kosho.or.jp というのも、自分が好きな言語哲学者、ウィトゲンシュタインの全集を買おうかと思っている。正直、今まで全集を買ったことがない…

メタモルフォーゼ

こんにちは。 先月は仕事が多忙だったり、体を壊したりでポストができなかった。しかし、あいかわらず本は読んでいる。 すこし前に買って、最近読み終えたのがエマヌエーレ・コッチャの「メタモルフォーゼの哲学」だ。 メタモルフォーゼの哲学 作者:エマヌエ…

Karada( my body)

Hello again. We should know our physical limitation to work and live healthly and entirely. Frankcly speaking, I do not open my job in this blog. However, most of the readers can guess what I do from previous posts. Last month, I got sick …

教育の環境を整えるには

こんにちは。 子育てや地域のクラブ活動、学校教育など子どもを育てていく上で非常に大切なことがあるように感じている。それは「大人を安定させる」ということだ。 子どもとって周囲の大人とは、自分が将来そのような人間になる可能性の存在である。子ども…

生きるスピードを調節したい。

こんにちは。 最近、本はそこそこ読んでいるにも関わらず、全くブログの更新ができていない。日中の仕事が肉体と精神をすり減らす仕事であるため文章を書くところまでたどり着けない。最近はこのラカン派の精神分析入門の書が仕事にも役立つため読んでいる。…

脱力

こんにちは。 ー観阿弥・世阿弥の『風姿家伝』や中島敦の『名人伝』にもあるように、(武)芸術の極致とは無駄をそぎ落とし、洗練された所作に見いだされるように思える。ー こんなことをふと、最近読んだ2つの小説の中から感じた。 1つ目は、村上春樹『街…

理論性と臨床性

こんにちは。 最近、仕事の関係もあり、再び発達障碍について文献を読んでいる。 発達障碍の中にも知的な発達の遅れを伴う知的障碍と知的な発達の遅れはないが情動性や心因性の問題がある情緒障害の2つに大きく分けられる。 本を読まずとも検索すればこの手…

エクリチュールに惹かれて

お久しぶりです。 こんにちは。 書きたいことは山ほどあるが何から書けばいいかわからない。とりあえず、ここ数か月ひたすらにポスト構造主義(フランス現代思想)のパロールとエクリチュールに興味を持ちいろいろと調べていたということを書く。パロールと…

Pinball, 1973

Long time no see. It has past so long time since I posted my last article. During last 2 months, I have had bunch of things that I want to share with you. Two months ago, my working place had a farewell party and welcoming party, and I joi…

鴎外の行間

こんにちは。 ゲーテを読んだ流れで、生まれて初めて森鴎外の「ヰタ・セクスアリス」と「高瀬舟」をサクッと読んでみた。(ちなみに森鴎外がゲーテのファウストの完訳を初めて出している) https://www.amazon.co.jp/-/en/%E6%A3%AE-%E9%B4%8E%E5%A4%96/dp/4…

元々何もなかったのかもしれない

こんにちは。 先日、小坂井敏昌の「矛盾と創造」を読んだ。 https://www.amazon.co.jp/-/en/小坂井-敏晶/dp/4396618069/ref=sr_1_1?crid=3994SI1NFW8L&keywords=小坂井敏晶&qid=1685794094&s=books&sprefix=小坂井%2Cstripbooks%2C294&sr=1-1 人文科学から自…

生存報告と最近読み散らかした本たち

こんにちは。 前回の投稿から日が空いてしまった探究人間です。 まぁ、それなりにしぶとく現実社会を生きている感じです。 最近、しっかりと本を読む時間が確保できておりませんが4月に読んだ本、今読んでいる本を何冊かご紹介。 ①鳥羽和久「君は君の人生の…

我々は寂しさに耐えられない。

こんにちは。 先日、若手のウィトゲンシュタイン研究者で有名な古田徹也氏の『このゲームにはゴールがない』を読んだ。 www.chikumashobo.co.jp 著者の娘(3歳半)が、実の父である著者に対して本音を隠した。その瞬間、著者にとって娘は不透明な存在になっ…

書簡体の文章に触れる

こんにちは。 最近、忙しくなりつつある探究人間です。 さて、先日生まれて初めてゲーテの作品を読んでみました。 読んだのは『若きウェルテルの悩み』竹山道雄訳 www.amazon.co.jp 私自身、文学自体あまり詳しくありませんがゲーテはドイツ文学において小説…

若者(現代の大学生)観

こんにちは。 ずっと買おうか買うまいか迷っていたが思い切って買って読んだのがこの本。 金間大介氏の『先生、どうか皆の前で褒めないで下さい』という本だ。 https://www.amazon.co.jp/%E5%85%88%E7%94%9F%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%8B%E7%9A%86%E…

Whiplash (2014)

Hi, I have had a symptom of chronic insomnia lately, so I had dicided to watch a movie last night. The movie was "Whiplash" , which is the american movie written and directored by Damien Chazelle. en.wikipedia.org First of all, this is not…

三四郎のそれから

こんにちは。 今日で東日本大震災から12年たったのかと朧気に思いつつ、近所の公園で夏目漱石の『それから』を読み終えた。 https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A4%8F%E7%9B%AE-%E6…

大衆の反逆

こんにちは。 大衆社会論の嚆矢とされる、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』を読み終えた。哲学におけるポスト構造主義および現代思想の流れは結果的に2023年に読んでも、普遍性がある内容で大変興味深い。 https://www.googleadservices.com/pagead/acl…

気づけばもう3月、自己紹介など。。。(雑記)

こんにちは。 気づけば、もう3月。ブログ記事の投稿も10個を超えました!!! かなりマニアックな内容を書いているこのブログですが、何人かの方に読んでいただけるようになり、嬉しい限りです。ありがとうございます。 今日は投稿が10個を超えたことを記念…

Stray Sheep (Sanshiro)

Hi, I have just finished reading Sanshiro a book written by Natsume Soseki because my house's wifi could not work temporaly. It seemed to be one of great ways as a pastime. https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%89%E5%9B%9B%E9%83%8E-%E5%B2%A9%E6%…

過密、その病的なるもの

こんにちは。 ちょっと今日は軽い内容。 先日、ネットニュースでミイクシィの新規登録者数が通常の8倍に急増しているという記事を見かけた。 news.yahoo.co.jp 要因の一つしてはツイッターのサービス形式が不透明だということがあるらしい。そして、昨今のSN…

親と子

こんにちは。 血縁関係及び親子の関係とはなんだろうか。最近、ちくま文庫から上梓されている高橋和巳の『子は親を救うために心の病になる』を読んだ。 https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%90%E3%81%AF%E8%A6%AA%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%E3%81%9F%E3%82%81…

知識の服飾的側面に関する一考

こんにちは。 今日は、知識が持つ服飾的な側面について私の考察を簡潔に述べたい。なお、「知識とは何か」という命題についてはこの記事の射程外とする。古代ギリシア哲学のプラトンから論じられていたり、学問分野によって異なった知識の分類がなされていた…

教職におけるビルドゥングとしての医学

こんにちは。 とある知り合いの方からご依頼があり、来月に学会で発表する機会を頂いた。完全にゼロの状態からテーマを決めなければならない。要旨提出とプレゼン資料作成のためにここ数日いろいろ調べている。 今、一応テーマを「スローラーナー」に絞り、…

新フロイト派の系譜を辿る

こんにちは。 先日、講談社学術文庫から上梓されたハリースタック・サリヴァンの「個性という幻想」を読み終えた。サリヴァンは1892年2月21日にアイルランド系移民2世の両親の元に生まれた。出身はニューヨーク州シェナンゴ郡である。サリヴァン自身は幼少期…

文法と社会生活について

こんにちは。 最近、私は言語における文法の概念を人間の社会生活の実相と重ね合わせて公教育を考えています。 「文法」とは大まかに言えば言語を使う時のルール、約束ごと、決まりごとといった意味です。わかりやすい例で言えば、みなさんが英語を学習した…

輪郭を明確化し、そして曖昧にする

こんにちは。 数日前にジャックランシエールの『無知な教師-知性の解放についてー」を読み終えた。18世紀に実在した、フランス語教師のジャコフの教育方法についてジャックランシエールがナレーションをするように語るスタイルで書かれている。 このタイト…

形式を変えて受け継ぐ

こんにちは。 昔はよかったなぁ…と思うことはありますか? 一つ例を挙げるとしたら、フランスの現代実存主義の思想家として有名なジャン=ポール・サルトルは学生を大学から連れ出して近くの喫茶店で哲学に関する議論を交わしていたといわれています。また、…