母親から聞いた話だ。
私を身籠っていた母は悪阻に悩まされていた。
その悪阻の症状は長時間の睡眠だったそうだ。それが一体どのぐらいのものだったのかは不明だが私が生まれてくる直前まで母はとにかく毎日眠かったらしい。
そして陣痛が来て、私がこの世に生まれようとしていた。
その時の出来事である。
母親の胎内に未練を残していたからだろうか、それともその時からこの世に対しての絶望があったからか、なんと私は出産途中で疲れて眠ろうとしていた。周りは慌てていて、助産師が生まれかけ私の顔を軽く叩きながら「起きてー」と声をかけくれていたらしい。(当然そんな記憶が今の私に残っているはずはない)
その時から母親は私の性格を悟ったらしい。
今現在の私も現実世界になじめないまま不器用な大人になってしまった。
この話の真偽は不明だが、そんな自分のルーツがなんだか自分って感じだ。