探究人間のいろいろ。

人文学 哲学 言語学 教育学 

我々は寂しさに耐えられない。

こんにちは。 先日、若手のウィトゲンシュタイン研究者で有名な古田徹也氏の『このゲームにはゴールがない』を読んだ。 www.chikumashobo.co.jp 著者の娘(3歳半)が、実の父である著者に対して本音を隠した。その瞬間、著者にとって娘は不透明な存在になっ…

書簡体の文章に触れる

こんにちは。 最近、忙しくなりつつある探究人間です。 さて、先日生まれて初めてゲーテの作品を読んでみました。 読んだのは『若きウェルテルの悩み』竹山道雄訳 www.amazon.co.jp 私自身、文学自体あまり詳しくありませんがゲーテはドイツ文学において小説…

若者(現代の大学生)観

こんにちは。 ずっと買おうか買うまいか迷っていたが思い切って買って読んだのがこの本。 金間大介氏の『先生、どうか皆の前で褒めないで下さい』という本だ。 https://www.amazon.co.jp/%E5%85%88%E7%94%9F%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%8B%E7%9A%86%E…

Whiplash (2014)

Hi, I have had a symptom of chronic insomnia lately, so I had dicided to watch a movie last night. The movie was "Whiplash" , which is the american movie written and directored by Damien Chazelle. en.wikipedia.org First of all, this is not…

三四郎のそれから

こんにちは。 今日で東日本大震災から12年たったのかと朧気に思いつつ、近所の公園で夏目漱石の『それから』を読み終えた。 https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A4%8F%E7%9B%AE-%E6…

大衆の反逆

こんにちは。 大衆社会論の嚆矢とされる、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』を読み終えた。哲学におけるポスト構造主義および現代思想の流れは結果的に2023年に読んでも、普遍性がある内容で大変興味深い。 https://www.googleadservices.com/pagead/acl…

気づけばもう3月、自己紹介など。。。(雑記)

こんにちは。 気づけば、もう3月。ブログ記事の投稿も10個を超えました!!! かなりマニアックな内容を書いているこのブログですが、何人かの方に読んでいただけるようになり、嬉しい限りです。ありがとうございます。 今日は投稿が10個を超えたことを記念…

Stray Sheep (Sanshiro)

Hi, I have just finished reading Sanshiro a book written by Natsume Soseki because my house's wifi could not work temporaly. It seemed to be one of great ways as a pastime. https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%89%E5%9B%9B%E9%83%8E-%E5%B2%A9%E6%…

過密、その病的なるもの

こんにちは。 ちょっと今日は軽い内容。 先日、ネットニュースでミイクシィの新規登録者数が通常の8倍に急増しているという記事を見かけた。 news.yahoo.co.jp 要因の一つしてはツイッターのサービス形式が不透明だということがあるらしい。そして、昨今のSN…

親と子

こんにちは。 血縁関係及び親子の関係とはなんだろうか。最近、ちくま文庫から上梓されている高橋和巳の『子は親を救うために心の病になる』を読んだ。 https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%90%E3%81%AF%E8%A6%AA%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%86%E3%81%9F%E3%82%81…

知識の服飾的側面に関する一考

こんにちは。 今日は、知識が持つ服飾的な側面について私の考察を簡潔に述べたい。なお、「知識とは何か」という命題についてはこの記事の射程外とする。古代ギリシア哲学のプラトンから論じられていたり、学問分野によって異なった知識の分類がなされていた…

教職におけるビルドゥングとしての医学

こんにちは。 とある知り合いの方からご依頼があり、来月に学会で発表する機会を頂いた。完全にゼロの状態からテーマを決めなければならない。要旨提出とプレゼン資料作成のためにここ数日いろいろ調べている。 今、一応テーマを「スローラーナー」に絞り、…

新フロイト派の系譜を辿る

こんにちは。 先日、講談社学術文庫から上梓されたハリースタック・サリヴァンの「個性という幻想」を読み終えた。サリヴァンは1892年2月21日にアイルランド系移民2世の両親の元に生まれた。出身はニューヨーク州シェナンゴ郡である。サリヴァン自身は幼少期…

文法と社会生活について

こんにちは。 最近、私は言語における文法の概念を人間の社会生活の実相と重ね合わせて公教育を考えています。 「文法」とは大まかに言えば言語を使う時のルール、約束ごと、決まりごとといった意味です。わかりやすい例で言えば、みなさんが英語を学習した…

輪郭を明確化し、そして曖昧にする

こんにちは。 数日前にジャックランシエールの『無知な教師-知性の解放についてー」を読み終えた。18世紀に実在した、フランス語教師のジャコフの教育方法についてジャックランシエールがナレーションをするように語るスタイルで書かれている。 このタイト…

形式を変えて受け継ぐ

こんにちは。 昔はよかったなぁ…と思うことはありますか? 一つ例を挙げるとしたら、フランスの現代実存主義の思想家として有名なジャン=ポール・サルトルは学生を大学から連れ出して近くの喫茶店で哲学に関する議論を交わしていたといわれています。また、…

いつでもなんでも分かりやすく伝えるべきか?

こんにちは。 今、ミシェル・フーコーの「狂気の歴史」を読んでいます。 www.amazon.co.jp 彼の処女作であり、博士号を取得した論文でもあります。 内容は非常に難しく、『狂気』に対する人々の捉え方の変遷が宗教学や精神医学、演劇といった観点から緻密に…